こんにちは!
生活知恵袋運営委員 作業療法士のワルパンです。
今回は『片麻痺の方の歩行をサポートしてくれる服』について情報をシェアします。
脳卒中による後遺症により上肢に麻痺が残る場合があります。
一口に「上肢の麻痺」と言ってもその程度は様々で、上肢全体に力が入らずに脱力したような状態になってしまう『弛緩性麻痺』や、反対に上肢全体に無意識に力が入ってしまう『痙性麻痺』といった状態があります。
ところで皆さん、人間の腕の重さはどのくらいあるかご存じでしょうか?
所説ありますが、平均3~4㎏あるとも言われています。
通常は筋肉がこの重さを支えてくれていますが、『弛緩性麻痺』を呈した場合、この腕の重さがそのまま体にかかってきます。
この状態で歩くことはまさしく3~4㎏の重りを持ちながら歩くようなもので、歩いているうちに首が張ってきて長く歩けない、風が強い日などは体が揺さぶられて余計に歩きにくいといった問題が生じやすいです。
そんなときにオススメなのが『アームスリング』です。
アームスリングは従来から一般的に使用されている道具ですが、2021年に実施された研究では、脳卒中片麻痺の方がアームスリングを装着することで歩行速度が向上するという可能性も示されています。
…しかし、アームスリングは自力で着脱することが難しかったり、「いかにも」という感じがして「街中でつけるのはちょっと抵抗がある…」、「人目が気になる…」といった方もいらっしゃるかと思います。
そんな方にオススメしたいのがケアウィルさんで開発された『アームスリングケープ』です。
既存のアームスリングは、1人で着脱することが難しかったり、洋服に合わせにくいといった欠点がありますが、アームスリングケープはそれらの問題を解決できるデザイン性と機能性を兼ね備えた製品かと思います。
実際に当事者の方にもお試し頂いたところ、「ケープを身に着けることで体が安定して歩きやすくなった!」といったご感想をいただき、外出時などに使用して頂いています。
ご興味ある方はぜひこちらのサイトを訪ねてみてください。
また、片麻痺の方の服選びに関してはこちらのnoteも参考になるのでよろしければご参照ください(^^)。
今回の『生活知恵袋』は以上です٩( ‘ω’ )و。
生活知恵袋の情報はあくまで投稿主様個人の経験に基づくものであり、万人に当てはまるものではない事をご了承ください。(※本文の中でご紹介した研究は『アームスリングケープ』を用いた行ったものでは無いことをご承知おきください。)
また、医療従事者の方は代償手段ありきでは無く、対象者の方の回復可能性、生活背景、価値観や心理状態などを鑑みたうえで情報提供を行うようにしましょう。
では、また次回の記事でお会いしましょう👋